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天気が良すぎて生きていくのが辛い( ^ω^)おいすー

speakingについてですが、重要なことを忘れていたことに気づいた

今回のテーマは「問題提起」ということだった!

ので、それに合わせて改変したのが以下である

前回のでも30分ぐらいあるとは思うが、これでも10分超えると思う

6〜8分と時間を指定されていることが編集作業を困難にしているように思えてならない…

とりあえずもうちょい細かく削って、英訳してから音読してみて時間計って調整するかー

私は日本食ブームについて話したいと思います。


日本食ブームとは、日本以外の諸国・地域において日本食が現地の人々に持て囃される状態を指す。

Japanese Restaurantとは日本以外の諸国・地域において日本食を提供するレストランを指す。

日本国内で日本食レストランという用語が使われることはない。

ここで言うところの日本食とは、日本料理・和食よりも料理の範囲が幅広い概念である。

日本料理や和食という語には「伝統的な」日本料理という意味合いがあるが、日本国外の日本食レストランで提供される料理には、歴史がある伝統的な日本料理ばかりでなく、鉄板焼き、チキンテリヤキ、カレーライス、かつ丼、ラーメンから、カリフォルニアロールを始めとするアメリカ式巻物類にいたるまで、比較的近年になって日本以外の食文化と融合して出来た料理も含まれる。

このため、Japanese restaurantを日本料理店と訳すには違和感があり、自然発生的に日本食レストランという用語が生まれたと思われる。

一方、日本以外の国・地域の文化圏の者から見れば、伝統的とか歴史が浅いとかは重要なことではなく、日本料理も日本食もJapanese cuisine またはJapanese foodである。

寿司が普及するにつれて、他のアジア料理店が店内に寿司バーを設け、〇〇チャイニーズ・レストラン&スシバーとか、コリアン・バーベキュー&スシバーと名乗ったり、シーフード・レストランが寿司や刺身をメニューに入れるケースも見られるようになった。

また、Sushi Siam (Siamはタイの古い名称)とかSushi Saigon など、経営者が堂々と自分の出身地を店名に入れているケースもある。

今や「日本食レストラン」と言っても内容は千差万別で、ボーダーレス時代が到来したと言えよう。


経緯

1950年代、日本の高度成長が始まるにつれて、世界各地に日本食レストランが出来始めたが、その客層は現地に進出した日本企業の駐在員、日本人旅行者、現地の日系人に限られていた。

1964 年にニューヨークに開店したベニハナ鉄板焼きは、アメリカ人をターゲットに定めて成功し、その模倣店が全米に続出したが、鉄板焼きは本来の日本料理ではないことからブームとは呼ばれなかった。

状況が変化したのは、アメリカ人が健康志向になり、ヘルシーな食生活に関心が高まっていた1976年ごろである。ロサンゼルスでは日本食レストランで寿司を食べることが先端的ライフスタイルとなり、その中心的存在は映画俳優や歌手、弁護士、医者などの高所得者層であった。

そのトレンドはたちまちニューヨークに飛び火し、1980年代初めには全米各地に広まって、マスコミが盛んに取り上げるようになり、寿司ブームと呼ばれるようになった。

寿司ブームとはいっても、アメリカ人が主に食べたのは、アメリカで考案されたカリフォルニアロールなどの巻物(ロール)であり、その傾向は今でも変わっていない。

ブームを加速させたのは、1977年に連邦政府が発表した食生活改善指導(マクガバンレポート)である。財政赤字縮小のために医療費削減が叫ばれ、連邦政府は脂肪分やコレステロールの摂取を減らし、蛋白質や炭水化物を多くとるよう勧めた。

その指導内容はまさに日系人の食生活そのものだったことから、日本食が広く注目されるようになった。

一方、車、カメラ、家電製品など日本のハイテク製品の高品質が評価され、日本製品に対する信頼感が生まれたことも寿司ブームに幸いした。

米国の寿司ブームは1980年代後半に欧州に伝播し、その後中南米、中近東、アジア、豪州などに広がった。

ブームが米国から始まったために、各国とも米国と同様、客の注文は巻物が主体となっている。

寿司店にやってくる人々は、寿司ばかりでなく、そのほかの日本食にも興味を示すようになり、寿司ブームは日本食全般のブームに発展した。


問題点とその是正の動き

海外諸国の日本食レストランの経営者とシェフは現地の人々が大半を占める。かれらは日本の食文化を知らないため、本来の日本食とはかけ離れた料理を提供する傾向がある。

また、日本料理の基本的調理技術に欠けるので、料理の質の低下を招き、衛生上の懸念もある。

こうした問題点を是正するため、日本の農林水産省は2006年秋、「海外日本食レストラン認証制度」案を発表し、本来の日本食を提供する店を認証(後に「推奨」と変更)して推奨マークを交付しようとしたが、アメリカの中国系、韓国系経営者の反発に遭い断念した。

そこで、日本食日本食材の普及・啓蒙を主たる事業とすることに方針を変更し、2007年に農林水産省の外郭組織であるNPO日本食レストラン海外普及推進機構」を設立し、海外の主だった都市にその支部を発足させている。


Ⅰ.米国における日本食レストラン軒数の動向

1.本調査の趣旨と手法

「米国における日本食ブーム」と言われて久しいが、それを裏づける数字となるとなかなか入手することが困難である。

日本からの輸出については、日本の財務省の貿易統計で入手可能であるが、米国における日本食ブームが、すべて日本からの農林水産物の対米輸出に結びついているわけではない。

日本食の普及を測る一つの重要な指標として日本食レストランの軒数が考えられる。

米国内の日本食レストランの軒数については政府などが公表する公式な統計はないが、ロサンゼルスの日本食ビジネス情報誌「Japanese Food Trade News - フード業界情報 U.S.A.」に掲載された調査結果が公表されていた1

そこで、ジェトロは今般、「Japanese Food Trade News - フード業界情報 U.S.A.」から調査手法を引き継いだ「Japanese Restaurant News」の発行元の「All Japan News, Inc.」に委託する形で、米国における日本食レストランの軒数調査を実施することとした。

日本食レストランの軒数は、最初に調査が実施された1992年の3,051軒から大幅な増加を続け、2005年には9,182軒に達した。

しかしながら、米国におけるレストランの軒数調査は、2005年以降実施されておらず、日本食の輸出・普及促進に関する重要な指標として、更新が待たれている状況にあった。

調査の手法については、2005年までの調査手法を踏襲し、米国全州の電話帳などの情報を基に、州別に日本食レストラン軒数を集計する方法をとった2。

なお、本報告書中、1992年、1995年、2000年、2005年の数字については日本食ビジネス情報誌「Japanese Food Trade News-フード業界情報 U.S.A.」に掲載した情報を使用している。

2.全米の日本食レストランは1万4千軒に

2010年度の調査結果における全米の日本食レストランの軒数は14,129軒で、これは5年前の2005年(9,182軒)の1.53倍、10年前の2000年(5,988軒)の2.36倍、調査を始めた1992年(3,051軒)の4.63倍であり、この18年間の全米での日本食レストラン軒数の飛躍的な増加を確認することができる。

州別のランキング(表1)をみると、カリフォルニア州が3,963軒で全米の約3割を占めトップ、以下ニューヨーク州フロリダ州ワシントン州ニュージャージー州と東西両岸が上位を占めている。

2005年からの日本食レストランの軒数の上位州に大きな変動はないが、フロリダ州(4→3位)、ジョージア州(10→8位)と南東部の州が順位を上げていることが特徴的である。

日本食レストランの軒数は、前述のようにカリフォルニア州ニューヨーク州などで1,000軒を超える一方、100軒未満の州が27も存在し、そのうち10軒未満の州も3あるなど、かなり東西両岸を中心とする先進地域とそうでない地域によってばらつきがあることが特徴である。

州別日本食レストラン軒数(表1)

3.日本食レストランの州別動向

表2のとおり州別で調査開始以来、最も日本食レストラン軒数の多いカリフォルニア州は3,963軒で1992年(1,449軒)の2.73倍にあたる。

第2位のニューヨーク州は2010年に1,439軒で1992年(349軒)の4.12倍である。続いて2005年に第4位であったフロリダ州ワシントン州を抜き、941軒(1992年の7.29倍)、ワシントン州は第4位で827軒(1992年の10.09倍)であった。

全体的な特徴としては、まず、ほとんどの州(2州を除くすべての州)で日本食レストランの軒数が増えていることがある。

特に、ジョージア州ノースカロライナ州サウスカロライナ州オクラホマ州アーカンソー州の南東部・南部の5州は2005年調査から軒数が2倍以上の大幅増加となっている。

このほか、多くの州で2005年調査から軒数が1.5倍以上の増加となるなど、引き続き日本食レストランの軒数が全米で大幅に伸びている傾向がみてとれる。

全米の日本食レストランの軒数は、2005年の9,182軒から、2010年は14,129軒になり、5年間で4,947軒の増加となった。

軒数の増加の大きい州をみると、カリフォルニア州が1,067軒の増加でトップ、これにニューヨーク州が601軒、フロリダ州353軒、ニュージャージー州239軒、ワシントン州227軒と続いており、日本食レストランの軒数が上位の州でもまだまだ軒数の増加傾向を続けていることが分かる。

カリフォルニア州ニューヨーク州などの日本食の先進州といわれる州においても、日本食レストランはまだまだ飽和状態にないと言えよう。

2010年の州別増加率の特徴としては、2005年調査時には在留邦人および日系米国人(いわゆる「ジャパニーズ」)が多い州で伸び率が低く、そうでない州で伸び率が高いという傾向が見られたが、2010年までの5年間の推移では特にこの傾向は見られず、全体的に全米平均増加率の約1.5倍に近い数字となったことが特徴である。

これは2000年から2005年に比べ、2005年から2010年では特にジャパニーズの少ない州における増加率に落ち着きが見られ、日本食ブームから爆発的に需要が高まり急激に増加した日本食レストランに対する需要と供給のバランスが追いつきつつあるためであろう。

しかし増加率は緩やかになりつつも、増加傾向に変わりがないというのが業界関係者大半の見方でもある。

(表2)日本食レストラン軒数の州別推移

4.下位州の日本食レストラン急増は一段落

前回2005年の調査までは、ジャパニーズ人口の比較的少ない下位の州において、日本食レストランの軒数が大幅に増加する傾向がみられた。

この傾向が、現在も続いているかについて、上位10州と上位10州以外における日本食レストランの軒数を基に分析する。

統計データの残る1992年からそれぞれ5年比増加率の推移は表3のとおりである。

直近の2005年から2010年の5年増加率は全米合計で53.88%、上位10州で51.38%、上位10州以外で59.96%と2005年に比べて上位州とその他の州との増加率の差が縮まっている。

上位10州の増加率が比較的安定しているのに比べて上位10州以外の急激な増加率が一段落しつつある状況に見える。

(表3)上位10州とそれ以外の州の増加率の推移


Ⅱ.経済不況の日本食レストランへの影響

1.不況でも日本食レストランの軒数は減少せず

2008年のリーマンショック以降、レストラン業界を取り巻く環境は厳しい。

もちろん、日本食レストランも例外ではなく、大多数の店で売上げや客数が減少し、厳しい経営状況で閉店に追い込まれる店舗も少なくない。

第Ⅰ章では、2005〜2010年のレストランの軒数調査の結果に基づき、日本食レストランの動向を分析したが、2008年のリーマンショック以降の足元の日本食レストランの軒数はどうであろうか。

本章では、ロサンゼルスで活躍する日本食関係者からの情報などを基に日本食レストランの足元の動向や展望について触れる。

まず、日本食レストランの軒数についてロサンゼルスの日本食関係者に聞いたところ、リーマンショックのあった2008年後半以降も「若干減っているかもしれないがそれほど大きな変化はない」、「日本食レストランは数的には増えているのではないか」、「一部店を閉めているところもあるが、大きくは減っていない」、「2007年までほどには増えていないが、微増はしているのではないか」との声が聞かれた。

それぞれのコメントに若干の違いはあるものの、全体としては、不況下でも日本食レストランの軒数はそれほど減っていない姿が明らかになった。

日本食レストランの種類別にみると、大型都市の高級店や日本人・日系人を顧客にしている店は、特に厳しいとの声が聞かれた。

また、不況の影響からオーナーが代わるところが多く日本人オーナーから韓国人・中国人オーナーに代わる動きおよび廃業した個人経営の店を引き継ぐことにより店舗数を増やす動きなどが指摘された。

また、今後の日本食レストラン軒数の展望については、不況の影響から一時的に日本食レストランは若干減少したとしても、長期的にはまだまだ伸びるとの見方が支配的である。

日本食ブームと好況のおかげで営業ができていたレストランは、不況で財布のひもが固くなった消費者の足が遠ざかり、閉店に追い込まれる店もある。

しかしながら、不況の中でも日本食人気が衰えたわけではなく、不況下で新たな開店を見合わせるオーナーが多いとしても、都心部の本物志向の店や時代の要請にあった日本食レストランは減少せず、ここ1〜2年で都市部の日本食レストラン軒数は一時的に減少する可能性はあるが、経済の回復に従って、再び増加傾向に戻るとの見方が大半である。

また、東西両岸の都市部を除いた中西部や南部・南東部では、日本食レストランはまだこの成長段階ではないため、経済全体の不況の影響をさほど受けずに日本食レストラン軒数の増加傾向は続くと考えられる。

2.日本食レストランにも不況の影響

経済不況の中、日本食レストランの軒数はそれほど減少していないが、消費者の外食を控える傾向や単価を落とす節約傾向により、多くの日本食レストランで売上げが減少している。

人気のある高級店では客数に変化は少ないが、節約傾向にある客が値段の高い酒や料理を注文しなくなり、全体の売上げが減少傾向にある。

反対に、価格を押さえたカジュアル店や特色のあるレストランでは客数を伸ばしている店もあるが、これまで好景気のおかげで何とか営業してきたような店は淘汰されつつある。

特に日本食文化の背景や基礎を持たずに好況下で経営を拡大した日本食レストランは、不況のあおりを受け、客足が遠のき閉店する店舗も出ている。

不況により消費を抑えるため、外食率の著しい減少が見られ、これはレストラン業界全体へ打撃を与えているが、日本食レストランは他の分野のレストランに比較するとまだ打撃が少ないと言われている。

これは、健康ブームや食への安全が注目される中、日本食に「ヘルシー」「美味しい」「安全」というポジティブな印象が持たれているからである。

しかし、この日本食に対する好印象はまだ普遍的なものとは言い難いのが現状である。

このため、コスト削減に走り過ぎれば、根付き始めた日本食のポジティブな印象が無に帰する可能性も危惧されており、消費者の日本食に対する信頼を失わないようにすることが重要である。

美味しい日本食を提供するためにある程度のグレードを保つことは必須条件でもあるが、不況下で日本食に理解の薄いオーナーが経営するレストランが品質を落としているとの話もある。

このような日本食の品質の低下が進むと、「ヘルシー」「美味しい」「安全」という日本食の全体のイメージが崩れることが懸念される。


Ⅴ.日本食レストランの経営の変化

1.米国における日本食レストランのレベル

1970年代より米国で寿司ブームがおこったが、その時期には生魚を食べる習慣がなかった米国の土地で、寿司の材料となる生魚を入手することすら困難だった。

その時代から40年近くが過ぎ、多くの日系食品商社や食品関係者の活躍により、今では全米各地で生魚が手に入る時代となった。

世界最大の魚市場、築地からの直送便で毎日新鮮な魚が届くだけでなく、日本全国の市場で取り引きされる旬の魚が、翌日には米国の日本食レストランで提供されている。

各種企業の貢献により、日本全国の魚市場に並ぶ第一級の魚を、日本で食べるのと変らぬ新鮮な状態で、米国で手に入れることが可能になっている。

寿司に欠かせないもう一つの材料である米についても、日系食品商社の活躍により、日本各地のブランド米をいつでも手に入れることが可能である。

しかし、米国の日本食レストランの大半で使用されているのは、価格の観点からカリフォルニア米を中心とする米国産がほとんどである。

日本から輸入した米を使用しているのは一般的に一部の高級日本食店で、大多数のレストランではカリフォルニア米など米国産が使用されている。

1997年から2007年の10年間で全体の米生産量のうち日本食レストランでの使用比率の高い短米種の米生産量全体に占める割合は10%以上も増加していることは、日本食レストランの増加とそこでの使用量の増加を物語っている。

日本からの輸入米に関しては、近年ロサンゼルスやニューヨークで、かまど炊きにして、付加価値を付け、ブランド米として提供しているレストランも見られる。

ブランド米として、米そのものの味の評価が広がるに従って、日本からのブランド米需要が増える可能性もあるが、これはまだ都市部のごく一部の話で、この需要拡大には時間がかかるものと思われる。

次に野菜についてであるが、寿司はともかく、本格的に日本料理を提供しようとすれば、現地の野菜だけではとてもまかなえない。

東海岸、西海岸ともに日本野菜の生産と販売を専門としている農場が存在する。

今では数件あるが両海岸の代表格ともいえる農場はともに1980年代初頭に設立され、ふき、みょうが、大葉、芽葱、京芋、百合根、ゆず、春菊、九条葱などが栽培されている。

両農場では、顧客の要望に沿って次々と取り扱う種類が増えているそうだ。

さらに、これらの農場の成功を受けて、日本野菜の生産に乗り出す近隣農場も多い。

ニューヨークの各地で行われているグリーンマーケットには小松菜、水菜、大根、かぶなどを提供している米国人や韓国人が経営する農場も多い。

このように、現在米国の日本食レストランが入手できる日本野菜は品種もレベルも日本に近づきつつある。

このように、米国の日本食レストランで入手できる日本食の食材のレベル向上は著しく、日本国内で手に入るもののほとんどは米国でも手に入れられるといっても過言ではない。

ただ、日本同様の食材が手に入れられるほど日本食材のレベルが向上しているからといって、米国で提供されている日本食が日本と同レベルというにはまだまだ課題が残る。

その主な理由として、食材レベルの向上に人材レベルの向上が追いついていないことがある。

一つには米国で合法的に滞在するためのビザ問題が大きい。十数年前には「スシシェフ」であれば簡単にグリーンカードが入手できる時代があった。

その時代が過ぎた後にも、スシシェフであれば、就労ビザが簡単に入手できた。このため、全く日本食の経験が無く、興味もない学生などが、米国での合法的な滞在権を手に入れるためにスシシェフになった例が多かった。

このような「にわかスシシェフ」や日本食料理人は日本でのシェフや寿司職人としての修行経験も持たず、厳しい日本食店や割烹で修行を積んで独立した日本食職人とは雲泥の差がある。

もちろん、日本から進出してきたレストランで、日本から派遣された職人のもとで学んだ日本食シェフもいることはいるが、この幸運を得たシェフは稀な例であろう。

日本食先進州のカリフォルニアのロサンゼルスでさえ、東京•銀座と同レベルの寿司が食べられるのかといえば、そうではない。

ただし、比較的古くから寿司文化が継承されてきたロサンゼルスでは、ある寿司職人の下で修行し、独立して店を持ち、成功店を作り上げ、その技術をまたその弟子に伝えていく、といった寿司職人の系統図が続いている店もある。

それとは別に、豊富なカリフォルニア産の素材を惜しげもなく用いた、とびきりネタの大きい寿司のようないわゆる「ロス前」寿司が育ちつつもあり、現地の米国人に浸透しつつある。

そして、米国から日本へ逆輸入された「カリフォルニア•ロール」やフュージョン料理などは素材レベルの向上によって、より洗練され、提供される日本食材の種類が豊富になるにつれ、よりバラエティに富んだ料理が生み出されている。

2.米国における日本食の地位向上

寿司はもちろん、日本食全般がフランス料理や中国料理に比較して、米国においてどの程度マーケットバリューを持つのか。

つまり、他国の食文化との比較の中で、どの位置を占めるのか。5年前と比較すると、日本食レストランの地位が確実になりつつあり、世界的に日本食の価値が認められ始めたと言っても過言ではない。

2009年版の『ザガット/ロサンゼルス』では上位100位のうち30店舗に日本食レストランが並んだ。

そのうえ、1位から4位まで日本食が占めている。

これは、もともと日本食レストランが最も多い南カリフォルニアで見られた結果で、全米の一般的な傾向ではないが、数年前にはまだ物珍しい料理の一分野として、日本食の要素を取り入れたフュージョン料理としてもてはやされていた日本料理の米国での地位が、急速に向上しているのはまぎれもない事実であると言える。

3.アジア系経営者の増加

日本食レストランの経営者も15年前に比べて様変わりしてきた。

全米の日本食レストランの経営者のうち、日本人以外の経営者(ノンジャパニーズ)が約8割と言われる4

それでは米国で日本食レストランを経営する「ノンジャパニーズ」とはどのような人々なのか。

日系食品商社や日本食レストラン業界の方々の話を総合すると、そのほとんどが、中国系、韓国系、台湾系、タイ系、インドシナ系、フィリピン系、インド系、カンボジア系、ベトナム系などの「アジア系」だと言うことになる。

このほか、人口急増のヒスパニック系も増加中で、ヒスパニック系は日本食レストランのキッチンで働いている半数以上を占めるといわれ、ヒスパニック系の人々がメキシコに帰国したら全米の日本食レストランが休業になるだろうと言われているほどである。

日本食レストランの軒数は増加傾向にあるが、日本人経営の店は、子供たちが継がない、後継者がいない、店舗を手放すとアジア系がビジネスチャンスを求めて買収、という流れから今後も比率はますます減少していくことは確実となっている。

なぜ、アジア系の経営者がこぞって日本食レストランを開くようになったか理由はいろいろ考えられる。

この背景には、米国におけるアジア系米国人の人口増加という大きな要因がある。

人口増加のほかに、アジア人の経営者が日本食レストランを開店する背景を以下に列挙する。

1. 日本食の調理方法は容易だと認識されており日本食レストランを開店するにのに調理技術の面でのハードルが低い(ロサンゼルス、ニューヨークでは、寿司ネタ、寿司飯、ガリ、玉子、味噌汁などできたものを買うことも可能。
日本食の基本メニューの作り方の本が、英語のほか、中国語、韓国語等でも入手可能であり、それを参照すれば日本の定食屋にあるようなメニュー(味噌汁、チキンカツ、豚肉生姜焼、サーモンの照焼など)であれば、それなりの料理を作ることが可能。
2. 回転寿司をはじめロールや握り寿司など機械が調理技術を補うようになったため、日本食店経営が益々容易になった。
3. 魚、寿司、豆腐、お茶などの保存食はアジアがルーツで類似の食品が多くあり、既に日本食材に親しみがある。
4. 日本食には比較的高級なイメージがあり単価を高く設定でききることから、利益率が高い。例えば、タイ、ベトナム、料理であればランチの焼きそば(麺類)に一皿8ドル付けられればいいほうだが、和食、寿司ランチメニューだと15ドルから20ドルの価格を付けても顧客に許容される。
5. 日本食にはそれほど強い火力が必要でないため、レストランの出店のための設備投資が少なくて済むので、レストランを始めようというアジア系の多くがテイクアウト店やカフェよりまずは利益率が高い日本食をやってみる傾向がある。
6. 日本では厳しい修行を積まなければ作れないと言われている寿司は、「生の魚を適当な大きさにスライスして寿司飯の上にのせて出せばいい」というように簡単に考える傾向がある。
7. 米国人の顧客に日本食を提供する者は、日本的外見をしているものの方が「日本食レストランらしい」ため、一般の米国人などよりもアジア系のほうが日本食ビジネスに参入しやすい。

2000〜 2050年まで、50年の人種別の人口予測を見ると2050年の米国におけるアジア系人口は2000年に比べ3倍以上の増加と予測されているが、これに含まれる日系米国人や日本人の人口割合はますます減少する傾向にある。

また、これが日本食レストランの経営者に日系以外のアジア系が増える背景となっているため、今後ますます日本人以外が経営する日本食レストランが増えると予想される。

4.米国の飲食業界からの資本参入

アジア系の経営者に加え、約10年前から米国の飲食業界のメジャー・プレイヤーたちが、日本食は利益率が高くトレンディなビジネスであると見なし、日本食レストラン業界に参入し始めた。

ロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミ、ラスベガスなどで米国人のプロのマネジメント・チームが資本やノウハウ、PR力を総動員して米国人の好みに合う、流行る日本食レストランを展開するようになってきた。

特に「アジアン・フュージョン・ウィズ・スシ・バー(Asian Fusion with Sushi Bar)」というコンセプトで、流行に敏感で自由になるお金を有する30代のヤング・エグゼクティブ層をターゲットにした店や日本人シェフと提携した料理と内装にこだわるエンターテイメント性の高いレストランが目立つ。

豊富な資金力からプロモーションやマーケティングにも優れ、次世代の日本食スターシェフを輩出しつつあるレストランもある。

この傾向は約10年前から始まり、約7〜8年前からは、これらのプロのマネジメント会社の投資額が大きくなり、個人経営のレベルで大都市に日本食レストランを開店して競合していくのが困難な状況も作り出している。

Ive reached the end of my talk.

Are there any questions?

Q1.

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Q2.

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Thank you.